健康豆知識「元気通信」

噛むことでストレスを軽減

更新日:2022.08.01
執 筆:整体師 田島健次

皆さんは、どの様にストレス発散をしていますか?

お酒を飲む、好きな動画を観る、ゲームをする、好きな物を大人食い、運動、カラオケ、友人や同僚と愚痴を言い合うなど、人により色々なストレス発散方法があると思います。

今回は、効果的なストレス発散方法を1つ紹介します。

効果的なストレス発散方法は…

ズバリ「噛む事」です。
咀嚼を多くすることで、ストレスが軽減するのです。

まず、ストレスは、大きく2つに分けられます。
一時的なストレスと慢性的なストレスです。

一時的なストレスは、上記のような、お酒を飲む、動画を観る、ゲームをするなどをして、睡眠を取れば、大きな問題にはなりません。

厄介なのが慢性的なストレスです。
例えば、将来の不安、相性が悪い人と仕事をする、言いたい事を我慢している、仕事では評価されない、家庭では存在価値がない等…

慢性的にストレスが高いと、ストレスホルモンが常に分泌されていて、自律神経、ホルモンバランスが乱れ、不眠症、便秘下痢、円形脱毛症、顎関節症、抑うつ状態になります。
最近の研究で、慢性的ストレスが脳を萎縮させ、記憶力、思考力低下が起こり、それが長期化することで認知症のリスクが高まる可能性があることが解明されました。

咀嚼することでストレスを減らせるとは

「咀嚼と脳の研究所」の実験では、木の棒を嚙ませたマウスと嚙ませなかったマウスで、嚙ませたマウスの方がストレスホルモンが減少したことが分かりました。

人間では、寝ているとき、食いしばり、歯ぎしりを行っている人が多くいます。
原因は、日中のストレスと抑圧している慢性的感情のストレスを、食いしばる事で、脳が無意識にストレス軽減しているからなのです。

寝ているときに食いしばり、ストレス発散していれば、ストレスは溜まらないじゃないかと思う人がいると思います。
実は、寝ている時に食いしばる事により、問題が起きるのです。

  • 顎関節症、顔が歪む
  • 食いしばる事により、表情筋、首や肩が固くなる
  • 歯が痛くなる、歯がしみる、歯が欠ける、折れる(私は折れました)

この様な状態になると、人と話すこと、食べることに制限がかかり、またストレスが溜まるという悪循環に陥ります。
日頃から噛むことを増やしてストレス対策を心掛けることが大事になります。

現代人は咀嚼回数が減っている

現代人は、咀嚼回数が減っています。
80年前は、平均咀嚼回数は1400回だったのに対して、現在は平均620回まで落ちているそうです。

昔にくらべ固い食べ物を食べなくなり、ラーメン、カレー、ハンバーガー、菓子パン、スイーツなど、柔らかく飲み込みやすい食べ物を好むようになったのもあるでしょう。

咀嚼回数が減った原因のもう一つが、食事する時間が減っていることです。
多くの人は仕事や家事、育児で忙しく、食事時間を削って早食いをし、あまり咀嚼をしないで、飲み込むように食べているのです。

嚙むことでストレス解消になるのにもったいないですね。
ストレス解消以外にも良い効果があります。記憶力が向上するそうです。

嚙むことで良いことが多くありますので、ゆっくり咀嚼をしてご飯を食べましょう。
忙しい人は、ガムを噛むこともいいでしょう。