健康豆知識「元気通信」

果糖の摂り過ぎにご注意

更新日:2019.03.05
執 筆:整体師 山下国彦

3月になり、冬の肌寒さが少しずつ落ち着き、暖かい日も段々と増えてきましたね。 この時期になると柑橘系の果物が旬となり、食べる機会も増えてくるかと思います。 今回はそんな果物に含まれている糖類「果糖」について少しお話します。

知られざる「果糖」の真実

果糖とは、言葉の通り果物に含まれている糖で、甘味度が糖類のなかで最も高いという特徴があります。 以前までは、果糖はブドウ糖と違い、肝臓で代謝が行われるため、血糖値は上りにくく、中性脂肪になりにくいと考えられていました。 ところが、最近の研究で果糖は摂り過ぎると肝臓での代謝が追いつかずに、中性脂肪を増やしてしまう事が分かってきました。 果糖と聞くと、なんとなく太りにくいイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、実は肥満の原因の一つとしてあげられます。 とはいえ、殆どの果物には高濃度の果糖は含まれていません。 むしろ、食物繊維やビタミンなどの栄養素が豊富で、果糖の吸収を緩やかにしてくれるので、普段、果物を適量食べる分には殆ど問題にはなりません。 しかし、私達は日常生活を送る上で、無意識に果糖を過剰に摂取している可能性があります。 それは、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖など)と呼ばれる、高濃度の果糖を含んだ食品を知らず知らずの内に食べている可能性があるためです。

私たちの身近に潜む「異性化糖」

異性化糖が多く含まれている食品は、清涼飲料水や乳飲料、アイスやケーキといったお菓子類になります。機会があればこれらの製品の成分表を観察してみて下さい。ブドウ糖果糖液糖や果糖ブドウ糖液糖の名前がすぐに見つかるかと思います。 上記の様な製品に異性化糖が多く含まれている要因は、砂糖に比べるとコストが安く済むという点と、低温だと普通の砂糖よりも甘さを強く感じるという性質のためです。 果糖の強い甘さは中毒性が高く、無意識に体は欲します。そのため、依存を生みやすく、また、満腹感が得られにくく、過剰摂取になりやすいため、注意が必要です。 そして何より怖いのが、果糖はブドウ糖の10倍のAGEを作ってしまうという点です。 AGEとは終末糖化産物の事で、分かりやすく説明すると、体の様々な老化に関与する、老化物質の事です。 目や肌、血管、内臓の機能低下を引き起こし、動脈硬化、糖尿病、白内障、脳梗塞、心筋梗塞など様々な疾患のリスクを高めます。 先述の通り、果物を適量食べる分には問題ありませんので、過剰に気にする必要はありませんが、清涼飲料水やお菓子などから、無意識のうちに過剰摂取してしまっていないか、注意が必要です。