健康豆知識「元気通信」

気圧・気温の変化と自律神経の関係

更新日:2021.08.02
執 筆:整体師 田島健次

梅雨も終わり、真夏がやってきます。
梅雨の時期が好きで体調がいいという方を、あまり見たことがありません。
当院に来る人は、自律神経の影響で体調が思わしくない人が多いからでしょうね。

梅雨の時期の体調不良

なぜ梅雨の時期に体調不良になりやすいのかというと、梅雨の時は低気圧なので空気が薄くなるからです。つまり、酸素が少なくなるのです。
すると、活動的に動けなくなり、副交感神経が働くようになります。
それにより、やる気の低下、眠い、だるい、むくみといった高山病のような症状になります。
一時的に、古傷が痛む、関節痛、頭痛などが起こることもあります。

最近では、このことを「気象病」「寒暖差疲労」などと言うようになっていますね。

気圧の低下とむくみ

気圧が低くなると体がむくむ仕組みを少し詳しくみてみましょう。

人間の体は、空気に押され、常に約15トンの圧力を外から受けています。
登山をしたことがある方は、高い山に登ったときにお菓子などの袋がパンパンになったという経験はありませんか?
高い場所では気圧が下がるので(低気圧)、内側の空気が外に出ようとするため袋が膨らむのです。
人間の体にもそれと同じようなことが起こります。気圧が下がると、血液中の水分が血管外の細胞に移行し、細胞が膨らむので、体がむくむのです。

ところで、タワーマンションの高層階に住んでいる人は、毎日気圧の変化と闘っているのでしょうか?

気圧の変化、気温の変化で、なぜ自律神経が疲れるのか?

人間の体には、体内の環境を一定に保とうとする力(ホメオスタシス)があります。
この、一定に保とうとする力をコントロールしているのが自律神経なのです。

このお陰で、暑い夏は汗を出して体から熱を逃がし、体温を一定にしています。
冬は鳥肌を立てたり血管を収縮させたりすることで、体の熱を逃がさないようにして体温低下を防いでいます。
また、気圧の変化により体が「しぼんだり」「膨らんだり」しないように調整しているのも自律神経です。低気圧の時は圧力が下がるので、体から押し返す力を弱めています。

皆さんは、急な予定変更や忙しい仕事の後は疲れませんか?それと同じで、急激な温度変化、気圧変化が起こると、自律神経も頑張って対応するので、疲弊するのです。
自律神経が疲れると、体の調整機能が低下するため、頭痛やだるさ、やる気の低下などにつながります。

夏は、本来(昔は)気温、気圧が安定する時期なので、自律神経も安定して働きます。
しかし、現在は地球温暖化の影響で夏は高温多湿になり、自律神経も頑張らなくてはいけなくなっています。
なぜならば・・・

  1. エアコンが効いた場所と外との温度差が大きい。
  2. 大気が不安定になり、ゲリラ豪雨などが発生しやすいため、急激な気圧変化が起こる。

実は、地球温暖化は体調にも影響しているのです。
温暖化対策は、地球だけでなく自律神経にも優しいといえますね。