健康豆知識「元気通信」

春の過ごし方

更新日:2022.03.01
執 筆:整体師 田島健次

3月です。
春が近づいてきていますね。
春のイメージは人それぞれ違いますが、よく言われるのは、気温が上がり温かくなり、桜が舞って風が強く吹き、卒業、別れと新しい生活になるイメージでしょうか。

春は気温・気圧の変化が大きい

実際は、気温の変化が大きく、自律神経が乱れやすい季節でもあります。
「3月はライオンのようにやってきて、子羊のように去っていく」
というイギリスのことわざがあるように、春は強い南風が吹き、急に暖かさを運んできます。

「春一番」は聞いたことがありますよね。
春一番とは、立春(2月4日)を過ぎてから初めて吹く強い南風のことをいいます。

ここで少し気圧のお話。
風は、高気圧から低気圧に流れます。
真冬の間は、低気圧が日本の南を通過しているので、北の冷たい高気圧の風が日本列島に流れるため寒くなります。冬が終わるころになると、日本海側で低気圧が発達します。その低気圧に向かって高気圧の暖かい風が吹き、気温を上昇させるのが春一番です。

気温の変化と体

春一番が吹いた日は急に暖かくなりますが、反動で翌日は寒気が流れ込み、真冬の気温になることが多くあります。
体が約20度の気温変化を受けるのが春です。
この気温変化の時、体ではどの様なことが起きているのでしょう。

寒い時は、交感神経優位になり、基礎代謝を高くして熱を作り、体温を一定に保ち熱を逃がさないように働きます。
春一番で気温が急激に上がると、体は急な変化についていけず、体に熱がこもりやすく、眠気やだるさを感じます。
春の暖かい日にボーっとして頭が働かず、眠気が強いのは、この様なことが体で起きているからです。

気温が急低下した時は、血流が悪くなり、腰痛、肩こり、首こり、古傷の痛み、冷え、頭痛、生理痛などの症状がでやすくなります。

春を乗り越えよう

3月後半になるとだいぶ暖かくなり、花見のシーズンになりますね。
花見のシーズンに雨が多く降るイメージはありませんか?
「菜種梅雨」という時期です。
菜の花の咲く時期に梅雨のような天気になることからつけられた名前らしいです。

この様に2月下旬から4月上旬は、気温、気圧のストレスが高まる時期です。
それと同時に、新生活が始まる方もいるので精神的にもストレスがかかります。

「春一番」「菜種梅雨」と体には負担になり、自律神経の調整力も低下しやすくなります。
ストレスが多く、自律神経の活動も低下することで免疫力も低下します。
体の機能低下により、春の恒例になりつつある花粉症状や皮膚のアレルギー症状が出る人も多くいるでしょう。

この時期を乗り越えるため、暖房器具を使い適切な温度環境を整えましょう。
着る洋服も工夫が必要です。

雨や曇りがちな天気が続くと、家にこもりがちになり運動量が減る人もいるでしょう。
運動しないと自律神経が不安定になりやすくなるので、家の中でもストレッチや軽い筋トレをしたり、レインブーツを履いて歩いたりしましょう。

気温、気圧は私たちでは調整出来ません。気温、気圧の変化に対応できる体づくりを日頃から心がけましょう。