更新日:2025.09.25
執 筆:整体師 田島健次
9月になり、朝晩は少しずつ涼しくなってきましたね(個人の感想です)。
季節の変わり目は、体も心も「ちょっとした揺れ」が出やすい時期です。
自然界をよく見てみると、実は「リスク=不確実なこと」ばかり。
今日の天気もそうですし、電車が時間通りに来るかどうかも分かりません。
スーパーで買ったトマトだって、甘い時もあれば酸っぱい時もあります。
子どもが朝スッと起きてくれる日もあれば、「行きたくない」とぐずる日もある。
仕事でも「今日は集中できる」と思う日もあれば、頭が働かず進まない日もあります。
つまり「上手くいくかもしれないし、いかないかもしれない」――それが自然の当たり前なんです。
仏教ではこれを「無常」と言います。
すべては変わり続けるのに、私たちは「変わらないでほしい」「こうあるはず」と思い込んでしまいます。
これが「執着」。
そして、その思い込みと現実がズレるときに、人は苦しくなるのです。
たとえば体調のこと。
「昨日元気だったから、今日も元気で当たり前」と思っていると、ちょっと疲れが出ただけで「なんで!?」と不安になってしまいます。
あるいは「整体に行ったからすぐ良くなるはず!」と期待しすぎると、変化が少しゆっくりな時に落ち込んでしまう。
でも、本当は体も心も“天気”と同じで、晴れたり曇ったり、調子の波があるのが自然なんです。
自律神経もまさにそう。
交感神経(がんばるスイッチ)と副交感神経(休むスイッチ)が、毎日シーソーのように揺れながらバランスを取っています。
100%完璧に「整っている」日ばかりではなく、今日はがんばりすぎ、明日は少し休みすぎ、そんな揺れ幅の中で人は生きています。
「今日はイマイチでも、明日はまた回復するかも」と思えると、余計な不安やストレスを手放しやすくなります。
不確実だからこそ、悪い状態もずっとは続きません。
「リスクしかない」というのは、見方を変えれば「変わり続けるから希望がある」ということ。
自然の法則に逆らわず、変化を受け入れていくことが、心と体をラクにする一番のコツかもしれません。
たとえば、夜に眠れなかった日があっても、「明日は眠れるかもしれない」と考える。
仕事が思うように進まない日があっても、「今日はそんな日もある」と受け止める。
子どもが元気すぎて大変な日も、「明日は落ち着いてくれるかも」と少し肩の力を抜いてみる。
そんな小さな「受け入れ」が、自律神経を整えてくれるんです。
9月は夏の疲れがドッと出やすい時期。
だるさや頭痛、眠気などが出ても、「体が回復しようとしているサイン」と思えば安心できます。
調子の波を「ダメなこと」と思わず、「自然なこと」と受け止めて、少しずつ回復のサイクルをつくっていきましょう。
季節の変化と同じように、心と体も移ろいます。
無常を受け入れながら、自分のペースで過ごしてくださいね。