当院院長のブログ

目の前の出来事はピンチ?

更新日:2025.07.24
執 筆:整体師 田島健次

日差しが強く、暑いですね。
この暑さとエアコンの冷えで、思っている以上に自律神経に負担がかかります。

「なんとなく体がだるい」
「夜寝つきにくい」
「気持ちが落ち着かない」…
そんなふうに感じている方も多いのではないでしょうか?

今回のテーマは、こんな暑い中でちょっとウザイかもしれません。

「捉え方」の話

日常の“何気ない出来事”。
例えば、朝の電車が遅れたり、家族との会話がぎこちなかったり。
そんなとき、「やっぱり私ってダメだなぁ」「どうせ今日も悪い日だ」なんて思っていませんか?

それはまさにABC論でいうところの B(Belief=信念)が顔を出しているサインです。
“出来事(A)”が起こった後、すぐに感情や体の反応(C=Consequence)が生まれるのではなく、その間に“自分の思い(B)”が入っているのです。

このABC論は、アメリカの心理学者アルバート・エリスが提唱した考え方です。
何か嫌なこと(A)が起きたとき、それによって直接感情(C)が生まれるのではなく、その間に自分の「捉え方(B)」があるという理論です。

つまり、目の前の出来事自体がピンチになるかチャンスになるかは、私たちの「解釈」によって変わってくるということです。

この「解釈」が、自律神経にも影響を与えているのです。
ストレスを感じ続けると、思考が硬直してしまい、交感神経がずっとオン状態に。
その結果、眠れなくなったり、イライラが増えたり、肩がガチガチになったり……そんなサインが現れやすくなります。

一方で、同じ電車の遅延や会話の気まずさであっても、「まあ、こんな日もあるよね」「次に備えよう」と受け止めるだけで、心と体は“ホッ”とします。
すると、副交感神経が働きはじめ、自律神経のバランスが整ってきます。
ABC論の“B”を少しだけ書き換えることで、体も楽になる可能性が高いですね。

「自分の解釈が体にこんな影響を与えるなんて…」と驚くかもしれませんが、これは単なる精神論ではなく、生理的な事実でもあります。
だからこそ、ピンチのときこそ「いま自分は何を考えているだろう?」と、ちょっと立ち止まってみることが大切。
それだけで、自律神経はゆっくりと整っていきます。

反応、感情に捉われないための3ステップ

では、どんなふうに実践したらいいのでしょうか?
次のシンプルなステップを試してみてください。

  1. 深呼吸をする
    大きく息を吸って、ゆっくり吐く。
    緊張した気持ちがふっと緩みます。
  2. 自分の思いをチェックする
    「~しなければ」「~であるべき」なんて思いがないか、チェックしてみましょう。
  3. 小さく言い換える
    「~しなければ」→「できたらいいな」くらいの言い換えでもOK。
    言い換えるほど、気持ちが楽になります。

この3ステップを意識するだけでも、交感神経のスイッチがゆるやかに“オフ”に傾き、副交感神経が働きやすくなります。

そして何より、「目の前の出来事はチャンスにもピンチにもなる」のは、あなたの解釈次第。

完璧である必要はありません。ポンコツを認めながら、ほんの少し解釈を変えてみる勇気が、次のチャンスにつながります。

ちょっと立ち止まって、自分の“思い”をそっと見つめてみませんか?(これを内観といいます)
そこから、身体がほんの少し軽くなっていくかもしれません。


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