第4章 自律神経失調症・うつ病の対策 ストレス別
精神的ストレスへの対策

唯一コントロールできる呼吸で自律神経を整える

 自律神経は、あなたが意識しなくとも動いてくれるのですが、逆にいうと、あなたの意思どおりには動いてくれません。
胃も腸も、心臓も腎臓も、あなたが意識しないでも動いてくれる代わりに、あなたの思いどおりには動いてくれません。

 

 しかし、呼吸だけは別なのです。
あなたが寝ていても呼吸をしているように、普段、呼吸はあなたが意識しなくても自律神経がちゃんとコントロールしてくれています。
しかし、呼吸は私たちが意識してコントロールすることもできるのです。
実はこれはとても素晴らしいことなのです。

 

 自律神経は本来、自分でコントロールできないのですが、自律神経がコントロールしている「呼吸」を介して、自律神経を自分でコントロールすることができるのです。
動く神経が緊張していると、呼吸は早くなりますし、浅くもなります。

 

 では逆に、休む神経が働いてリラックスしていると、呼吸はどうなるでしょうか。
ゆっくりとした呼吸で深~い呼吸になります。
休む神経が働くと深くゆっくりとした呼吸になりますので、休む神経を働かせてリラックスしたいのでしたら、深~くゆっくりとした呼吸をすればいいのです。

 

 「腹式呼吸」という言葉を聞いたことがあると思いますが、腹式呼吸は深くゆっくりとした呼吸に適しているのですね。
腹式呼吸のコツとしては、息をゆっくりと鼻から吸い(鼻が詰まっているようなら口からでも可)ながら、お腹に息が入ってくるかのようにお腹を膨らまします。
そして吐く時は、息を口からゆっくりと吐きます。
すると、お腹にたまった空気が、口から少しずつ出ていくかのようにお腹がへこんでいきます。

 

 最初は5秒間で息を吐いて、それから5秒間で息を吸います。
できない場合は、2~3秒ずつでもかまいません。
一般的な腹式呼吸の指導では、息を吸う時間よりも息を吐く時間のほうを多く指導しています。

 

 しかし初心者には、同じ間隔で呼吸をすることをおすすめします。
なぜなら、効果もさほど変わりませんし、やりやすいからです。
基本的には「できるようにやる」というのが長続きさせるコツです。

 自律神経は習慣的な動きをしますで、できることを続けていけるというのが重要になります。