心と体の勉強会 音声テキスト

心と体の欲求を大切にすることが必要

2019年4月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.2

「○○しなければならない」が心と体を押さえつける

では、次に、人にとっては怒ることじゃないのに怒ってしまったり、人にとっては泣くことじゃないのに泣いてしまったり、そういう事について話しますね。
○○しなければならない、○○でなければならない。
脳は3層構造になっています。「○○しなければならない」、「○○でなければならない」というルールや秩序を担当しているのが大脳新皮質というところです。

「○○したい」っていうのは心であり、欲求なのです。
「○○しなければならない」というのは義務。大人になると区別が付きにくくなります。
「○○しなければならない」という風に教育されていくと、「○○しなければならない」という状態になっていないと不安になってきて、それをやりたいと思っているのだけど、それをやりたい訳じゃなくて、「やらなければならない」という思考に陥ります。
もし「○○しなければならない」、「○○でなければならない」というのが沢山ある人は自分の心や欲求を抑え込んでいる可能性があります。

例えば、お腹がすいたからご飯を食べたい。
でも、まだランチの時間じゃない、ご飯は12時~13時の間に食べなければならない。
という義務があったとすると、11時にお腹がすいた場合、その欲求を満たすことが出来ません。
例えば女性で、外に出るときはお化粧をしなくてはならない。
という義務があったとすると、ものすごくだるいときに、近所に買い物に行くのにお化粧しないで行くと凄く不安になったりします。
「こんな状態で出て大丈夫かしら…。」「○○しなければならない」、というのが出来ていないと、自分を責めてしまい、これはいけない事じゃないかと思うのです。

じゃあ、その時、心はどうでしょう。
例えば、面倒くさいから今日は化粧なんてしたくないとか、まだ11時だけどもうお腹すいたし、早く食べたいってなった時に、体と頭と心、どれを優先しなければならないかというと「体」なのです。
お腹がグーって空いたとき、お腹が空いたなって感じるのは体ですよね。
なにか食べたいなーって思うのは心です。
そのときに、まだ12時じゃないよって考えるのが頭です。
そうすると、体と心は仲間なのだけども、頭だけ仲間じゃないのです。

体と心は繋がりやすいのです。
体が疲れたなー、休みたいなー、そう思った時に、「まだ仕事はある、今日中に終わらせなければならない」とか。
「旦那さんが帰ってくるまでに掃除しなければならない」とか。
そうなると、頭が常に心と体に命令を下します。
だけど、脳が出来ていく過程や生命が発展していくときに一番重要なのは体なのです。
自律神経が望んでいることを体、心は表現するのです。
そして、頭がそれを満たしてあげたときにはものすごく幸せなのです。

ところが、例えば体としては血管が収縮するとかそういうことが起きるっていうことは、危険を感じているわけですね。
そうすると心は「怖い」だとか、「俺の大切な物を攻撃するな」っていう怒りが出てきます。
でも、頭では「そういうのは良くないよー」って、「怒っちゃダメだよー」って、「怒ったって何の得にもならないよー」、みたいな事をやると、体は、「ええ!?」みたいな事になるのです。
常に頭が司令塔になっているのですけど、生命として一番重要なのは体なのです。

次に心なのです。
例えば、脳梗塞が起きました。
この頭の部分、大脳新皮質に起きる分には生きる事に問題はないのです。
心の部分、大脳辺縁系に起きるとちょっと危ないです。
なにかするっていう意欲が湧かなかったり、記憶が取り出せなくなったり、感情を感じにくくなったり、やる気にならなくなったりします。
そして、体の部分、脳幹が梗塞を受けちゃうと、死んじゃいます。
脳幹梗塞というのは一番危ないですね。
なぜかというと、呼吸をする神経の中枢、心臓を動かす中枢がここにあるからです。
心臓を動かす中枢が動かなくなったら死んじゃいますよね。
なので、どこが一番重要かというと、体の脳である脳幹が一番重要なのですが、頭の脳、大脳新皮質がそれを何とかしようとするわけですよ。

ここで、問題が起きます。
○○でなければならない、○○しなければならない、という義務が多いと、頭がそれだけ心や体を抑えつけるのです。
だから、規律を守るような社会的には良い人、素晴らしい人でも、生物学的には、生命力が弱くなってしまう原因にもなります。
天真爛漫な子どもって「○○でなければならない」ではなく、「○○したい」なんです。
でも、子どものまま大人にはなれませんので、社会性を身につけなければならなりません。
重要なのは、社会で生きていくための自分と、自分として生きていくための自分とを分けなればならないという事です。

社会の中では役割を演じる必要がある

怒ったり泣いたりするのが大切って言ったからといって、仕事中にそんな事をするわけにはいかないですから、我慢しなきゃならないのです。
でも、プライベートでも我慢していたりすると、良くないです。
で、プライベートと言いながら、ここに家族とか親戚がついてきます。
「仮面」という言葉を覚えておいてください。あるいはマスクって言ったりもしますね。社会に関わる上での自分の仮面です。

僕は、今、この場ではここの健療院グループの院長としての仮面をかぶっています。
だから、皆さんに期待されていることを情報として提供するという義務を持っています。
僕が適当にここでなんかいきなり演劇とか始めたらおかしいですよね。
皆さんの期待に応えられていませんよね。期待に応えるというのが仮面なのです。
皆さんの中でも長女という仮面、次女という仮面、お母さんという仮面、色々とあると思いますけども、その仮面を演じようとしているわけです。

でも、それは社会での役割だからしょうがないのです。
ですので、本当に家族とプライベート的に仲が良かったりするのは、それはそれでいいのですけれども、本当に自分が素でいられるかどうか。
そういう素でいられる時間や場所やそういうものを獲得していく必要があります。
これは自然に出来る物じゃないので、作っていかなければなりません。
例えば、僕はバイクに乗るのですけど、バイクに乗ってときは院長としての役割から離れた本当に自分がやりたい事をやっています。
重要なのは、「役割を演じなければならない場所」と、それとは別に「役割を演じなくていい場所」がありますか、っていうところなのですよ。

だから、うちの治療院では患者さんがどんな状態であろうと、何を話していても、それを受け入れます。
例えば、「人を殺したくなった」と言われた時に、「そんな事ダメだよ」って言うのは○○しなければならないと一緒なのです。
実際に人を殺してしまうのは問題ありますけれども、「殺したくなるほど辛かったのだ」という心の方にフォーカスしなければなりません。
「そんな事をしてはダメだよ」というのは社会のルールですから。
だから、自分の中で、何でも言える友達がいたら良いですし、自分が本当に力を抜いていられる人や場所を作っていくというのも重要になってきますね。
これは、中々自然にはできないです。
公園のベンチとかでもいいですし、ちょっと電車に乗って行けるような景色のいい場所でもいいですし、誰かとお茶を飲みに行くとかでもいいですし。
力を抜ける人や場所、そういうことが少なくなり、「社会」が大きくなってくると、頭の方が沢山働いてくるので、心や体を押さえつけてしまいます。
交感神経が副交感神経を押さえつけているような状態です。

症状の根本は「抑圧」

例えば早朝覚醒、舌がおかしい、パニック発作、歩きにくいなど、症状はそれぞれの場所で調整しています。
しかし、結局のところ大もとの抑圧された部分が解放されない限り、症状は改善されていきません。
体からすれば、症状というのはなんでもいいのです。
ただ、そこに生物学的な問題があって、例えば、血管の収縮が耳の奥にあれば、めまいや耳鳴りが出やすくなる。血管の収縮が胃にあれば、胃が痛くなる。
ほとんどの症状は酸素不足から起こります。
自律神経の交感神経が働くと、血管が細くなり、血液の流れが悪くなる。すると酸素が届かなくなり、敏感になってしまう。

酸素が届かない状態というのは疲れているので、疲れているほど、敏感になります。
いつもは怒らないようなことでもイラっとします。
心の状態もそうですし、体の状態としては何にもないのに、体の痛みを感じる神経が勝手に反応してしまい、痛みを感じてしまいます。
顎の痛みや首の痛みというのはほぼ酸欠状態が原因です。
症状って言うのは、どこの血液が滞るかで症状が変わってくるのですが、根本の原因は抑圧です。
辛いところを温めるだけで楽になったりしますけれども、それは血液の流れが温かさに反応して流れが良くなったからです。

結局のところ、押さえつければ押さえつけるほど、副交感神経が働かなくなってしまう。
ストレスがある時というのは交感神経が働かないといっても、ストレスには反応しなくてはならないので、交感神経は微妙に働きながら過ごします。
なので、イライラしてきたり、そわそわしたり、不安になったり、で、血管も収縮されてしまいます。
で、血管というのも筋肉なのです。筋肉が収縮するという事は、血管も収縮するのです。
ですので、血液の流れが悪くなり、酸欠が起こり、それがどこの場所で起こるかによって症状が変わって来ます。
そのため、症状がコロコロ変わるとていうのはよくあることなのです。

交感神経はストレスに抵抗する力

例えば、不眠症というのは、交感神経が上げられないから副交感神経が働けないのです。
だからといって、眠る前にマラソンをすると、結構時間が掛かるので、眠る前の4~5時間前には交感神経を1回働かせてあげる。
人によって違うのですが、例えば心拍数として120~150くらいまであげ、交感神経を働かせてあげるという事が重要です。
で、早朝覚醒の場合だと早く交感神経が働いてきてしまいます。
簡単に言うと、抑圧していたものが早く上がってきてしまう。
つまり、溜め込んでいる感情を少し減らしてあげる必要があります。
そのためには、運動とかもいいですけど、泣ける映画見て泣いたり、騒げる映画見て盛り上がったり、野球場行ってワーっと騒ぐのもいいし、ボクシングジムで大きな声出しながら殴ってもいいし、そういうふうに交感神経を緊張させないとストレスに対応できなくなってしまい、体がどんどん弱くなってしまいます。

ストレスというのは交感神経で対応しているのです。
怒りや喜びという感情を出さないと、交感神経の働きは低下します。
交感神経の働きが低下するとストレスに対して抵抗するときに交感神経が自分の筋肉でブロックされてしまいます。
すると、ストレスに対して弱くなってしまいます。
ストレスに強いというのは交感神経がきっちり働くということです。
つまり、色々なストレスがあればあるほど、感情を出したり、筋肉を動かしたり、声を出したりして交感神経を働かせる事が重要になります。

次に、ストレスを小さくする「選択」と「境界」とは?をお伝えします。