心と体の勉強会 音声テキスト

「選択」と「境界」でストレスを減らす

2019年4月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.3

ストレスに対する自分の選択

あとは、1つ1つのストレスに対して、自分の何が問題なのかということを明確にする必要があります。
例えば旦那さんがアル中だとします。アル中なのは問題ですよね。
でもそれは、アル中が問題なのよと言っても、簡単に言うと、物事は何にも変わらないのです。

例えばアル中の旦那がいたとしたら、自分は何が問題なのだろうか。
例えば、あの人に見切りをつけて別れないという事が私のストレスを増やしているのか。
だけど、別れたら別れたでストレス。そうすると自分がどっちを選ぶかという選択をする必要があります。

あの人Aさんと一緒にいたら、私はストレスを我慢し続ける状態になってしまう。
だけどもし、Aさんと別れたらストレスを我慢し続ける状態にはならないけれども、別の問題が起こる可能性がありますね。
これは旦那さんでもそうだし、ご両親でもそうだし、子どもとか親戚とか友達とか全部そうです。
Aさんとお付き合いしていると、例えばαになる、Aさんとお付き合いしないとβになる、そうすると、付き合うか付き合わないかどちらかの問題しかないので、どっちを自分が選択するかっていう、自分の選択権の問題なのです。

ところが、Aさんを変えようとすると、自分には選択権がないのです。
なぜかというと、相手の行動を変えさせるのは難しいので、自分を変えないとストレスは小さくなりません。そして、他人はほぼ変えられません。
そうすると、このAさんに対してどの様なつきあい方をするかとか、防衛方法をどうするかという事が重要です。
厳しい事を言いますが、家族だからといって関係を切れないという事はないのです。
自分が切らないという選択をしているのです。
これは能動的に表現していかないといけないので、切ることはできるのです。
ただ、見捨てることで自分に起こる罪悪感に比べたら付き合っていた方が良いっていうふうに自分で選択をしているのです。
そうすると、Aさんという人がいて、その人と付き合うならこういう状態になります。
付き合わなかったらこういう状態になります。どちらを選択しますか。
要するに自分の選択の問題なのです。

境界がストレスを小さくする

「境界」っていうのがあります。境目ですね。
この境界をお互いに侵さずに、隣り合っている状態が仲の良い状態。
ただ、近すぎて境界を侵している状態は危険です。
一時期ならこういう状態も良いです。だけど、ずっとその状態だとおかしくなります。
どちらかがどちらかに合わせている可能性があります。
AさんがBさんに合わせているかBさんがAさんに合わせているかは分かりませんけれども、無境界な状態です。

無境界っていうのはどういう状態かというと、AさんはBさんであり、BさんはAさんであるということ。
たとえば、あの人が怒っていると、私もイライラしてくる。
あの人が不幸だと私も不幸を感じる。そういう事ありますよね。
例えば、自分の両親が不幸だったら自分はハッピーには思えないですよね。
無境界な状態ではなくても、多少はそういうのがあるのが普通なのですが、そういう状態が強すぎてしまうと、問題がいつか起きてしまうので、仲が良いといっても、境界をお互いに侵さずに、隣り合っている状態にする必要があります。

良い言葉がありますね、亭主元気で留守が良い。
亭主が自分の境界を侵していたら嫌ですよね。
自分には自分の付き合いがあるじゃないですか。
だから、少し離れて、AさんはAさん、BさんはBさん。
一緒にいる分にはいいけど、1日24時間、常に重なっちゃうと、どちらかがどちらかに合わせているので、どちらかが窮屈になってくる。
どちらかが抑圧しているわけです。
こういう場合はどちらかが依存しています。
これは家族間だとか夫婦間だとか兄弟間だとか親戚関係だとか、そういうので、できてしまうことがあるのです。
なので、あなたはあなた、私は私という境界をちゃんと作るという事が重要で、自分の境界に入ってこられたら、ここからは入ってこないでね、という風にちゃんと伝えることができるかどうか。というのも重要です。

例えば、疲れているのに映画に誘われたときに、疲れているから私は休みたいって言いたいのだけど、この人が映画観に行きたいっていうならしょうがないから映画行こう。
みたいな感じで、辛い時間を過ごすわけですよ。
その時に、あなたは映画が観たいのね、それじゃあ1人で映画見てきてね。
私は疲れているので休みます。そういうのが境界。
境界がきっちりしていないと、いつかは不幸になってしまいます。
個としての生き物なのでね、ある程度の社会性は必要なのですけれども、こういった事をキチンとしていくと、ストレスが少し小さくなります。
世の中には他にも色んなストレスがありますから、こういったストレスを小さくする事も必要です。心理的な面で重要なところです。

体調に合わせた刺激で体が活性化する

症状の治り方には波があるので、一喜一憂せず、日々比較するべきではありません。
症状が改善されてくると、最初は変化とか刺激から離れたくなります。
視覚情報や聴覚情報で脳がパンクしてしまうのです。

脳は受け取らないということができません。
脳が刺激でいっぱいになると受け取りたくないので目を閉じ、耳を塞ぎたくなります。
また、自律神経が乱れると瞳孔が収縮できなくなるので、まぶしく感じます。
更に症状が改善し、変化に反応できるようになってきたら、体を動かす必要があります。
自律神経が乱れ、体調が優れない方は動く事ができません。

自律神経が少しずつ整い、体調が上がってくるにつれて体を動かしたくなってくるのです。
そのときに、声を出したり、運動をしたりする事が重要です。
そして更に調子が上がってきたら感情を出すという事も重要になります。
その頃には少しずつストレスを与えてあげることも必要です。
ちなみに、運動もストレスです。そしてコミュニケーションも。
自分に心地良さを与え、欲求を満たしてあげる必要があります。
その欲求を満たすという事が成功体験になり、そうすると体は活性化します。
美味しい物を食べる、やりたい事をやる。
そういう自分にとって心地の良いことをすることが大事です。