症状別対処法レポート

アダルトチルドレンの生き方

アダルトチルドレンと両親の関係

子供たちにとって両親はいわば神様のような存在です。
自分が生きるための衣・食・住を用意してくれるのも両親。
自分に何かトラブルが起こった時に守ってくれるのも両親。
そして、自身の成長に必要なこと、愛情を無償で与えてくれるのも両親です。
そうした両親に対して、無意識に子供は愛情を欲します。
それは両親に愛されたいという根源的な欲求が生まれた時から存在するためです。

しかし、さまざまな問題により、両親からそうした愛情を適切に与えられない事があります。
すると、子供達は自分の感情や欲求を置き去りにしてでも、親の愛情を得ようと奮闘します。
それが、例えどんな両親であれ、愛されようと一生懸命の努力をします。
そして、愛情を欲するあまり、子供達は自分が望むようにではなく、両親の状況に応じて適切な行動をする自分を作りあげ、ありのままの自分を心の奥深くに閉じ込めてしまいます。

こうした環境が続いてしまうと、いつの間にか自分の気持ちや感情が分からなくなってしまいます。
そして、子ども時代の生き方はパターンとして身についていき、大人になっても変えることが出来ずに続いていきます。

このような、自分主体ではなく、他人を主体とする事で自分自身を守ろうとする生き方のことを「共依存」と呼びます。

共依存という生きづらさ

共依存の特徴として、下記のようなものがあります。

  • 自分自身の価値を自分で判断するのではなく、周囲の基準や評価を頼りに判断する。
  • 自分自身がどうしたいかではなく、周りからの期待に応えようと一生懸命になる。
  • 自分自身の問題より、他人の問題を解決しようと一生懸命になる。

上記のような、自分自身に目を向けることが出来ず、周りに対して自分を合わせている生き方が共依存の特徴です。
共依存という名の自己の喪失が、アダルトチルドレンの抱える生きづらさや苦しみに繋がっています。

アダルトチルドレンの5つのタイプ

先述したとおり、適切に愛情を与えられていない両親のもとで育った子ども達は、自分の気持ちを押し殺してでも、親からの愛情を得ようとするため、ありのままの自分を出すことを恐れるようになります。
そして幼少時から、周囲の状況に合った自分の役割を演じることで、家族の中に自分の居場所を作ろうとします。
それらの役割には、以下のようなものがあります。

完璧を目指す「ヒーロー」

ヒーローは、「優等生」「家族の誇り」とも呼ばれます。

両親にとって「優秀ないい子」「しっかりした子」であらねばならないと考えており、なんとか評価・注目されようと頑張り続けます。
家族の期待を一身に背負った役割で、完璧であり続けようと必死になっている状態です。
しかし、目標を達成しても、両親に認められるために更に良い評価、成果を出さなければならないと自分を追い込んでしまいます。

本当はもっと休みたい、一息つきたい、無邪気に遊びたいという本心がありますが、立ち止まってしまったり、間違ってしまったりする事をとても恐れているため、出さないようにしています。
完璧であり続けなければ、自分の価値を誰も認めてくれないのではないかと、常に不安に感じているのです。

問題を起こす「スケープゴート」

スケープゴートは、「問題児」「生け贄」とも呼ばれます。

何かとトラブルを引き起こし、周りからは「落ち着きのない子」「悪い子」といった評価を受ける事が多いです。
しかし、これには理由があり、攻撃的に振る舞うことで自分自身の存在を周囲に主張しているのです。
また、そうした問題を引き起こすことで、家族の中に元々存在する問題から、みんなの目をそらそうとする役割を演じているケースも多いです。

ただ、問題やトラブルを起こす事で得られる評価は決して良いものではなく、そういった評価に自分自身はとても傷ついています。
しかし、そうした自分自身の事を誰にも理解してもらえませんし、自分の気持ちを上手に伝えることも出来ません。
そうした孤独感や寂しさから、更に問題を起こすという悪循環に陥ってしまうケースがとても多いです。

いないふりをする「ロスト・チャイルド」

ロスト・チャイルドは、「いないふり」「忘れられた子」「仲間はずれ」とも呼ばれます。

普段から、褒められる訳でもなく、トラブルを起こすわけでもなく、ただひっそりと過ごしているような目立たない子どもで、周囲から存在を忘れられてしまいがちです。
これには理由があり、人目につかないように、すみっこでこっそりと息をひそめていることで、緊張した家族関係によって自分が傷ついてしまわないように自分を守りながら、自分だけの空間をなんとか確保しようとしています。

しかし、本心では、私はどうでもいい存在で、常に放っておかれているのではないかと感じており、孤独や寂しさを常に感じています。
本当は誰かと繋がりたい、でも、自分から一歩踏み出すのが怖いのです。

道化を演じる「クラウン」

クラウンは、「道化師」「甘えっ子」とも呼ばれます。

おどけた態度や可愛らしい仕草で周囲の緊張をやわらげ、場を和ませる役割を演じています。
周りからは「面白い子」「笑わせるのが上手な子」という印象を持たれやすいです。
周囲がイライラしていたり、険悪な雰囲気になっていたりすると、とても不安になるため、そういった争いごとや問題が起こるのを事前に回避しようと常に気を張っています。
真剣な話をしている最中でも、冗談を言ったり、対等に向き合おうとせずに、甘えたような態度を取ったり、幼稚なフリをすることで、問題と向き合おうとしないのも特徴です。

自分の辛さをハッキリと言葉にして伝えることも苦手で、誰かの目をまっすぐに見て話をする事も苦手です。

他人に尽くす「ケアテイカー」

ケアテイカーは、「お世話焼き」「なだめ役」とも呼ばれます。

何かと問題が起こりやすい家族の中で、幼少の時から両親の面倒を見たり、両親が起こした問題の後始末をしたり、愚痴や相談を聞いてあげたりなど、カウンセラーのような役割を演じます。
場合によっては、両親の代わりに妹や弟の保護者役になる場合もあり、「面倒見の良い子」だと思われがちです。
他人の痛みや問題を自分の痛み、問題のように感じてしまい、困っている人がいると放っておくことが出来ません。

他の人の為に一生懸命にやっているときは自分の気分も充実しているので問題ないのですが、自分がどうしたいかを聞かれると、よく分からず困ってしまいます。
自分自身の感情や自分のしたい事が分からないのです。

タイプ別の優れた特徴

こうして、子ども時代に演じてきた役割はその人の優れた特徴にもなります。

  • ヒーローは、勤勉な努力家
  • スケープゴートは、勇気と行動力
  • ロスト・チャイルドは、想像力豊かで独創的
  • クラウンは、ユーモアがあって人を和ませる
  • ケアテイカーは、神経が細やかで献身的

これらの子ども達に共通しているのは、自分の本心や気持ちを置き去りにして、親の機嫌や顔色、家の中の雰囲気を優先して物事や行動を決めているという点です。
子ども達は、意識した上でそのような役割を演じているわけではなく、潜在意識として、こうした役割を演じなければ愛情を得ることが出来ないと判断した結果、こうした役割が言語や振る舞いとして表に出てくるのです。
そのため、上記のような役割を演じているという事は、当の本人には分かっていないケースが殆どです。

次に、自分らしく生きるためにを紹介します。