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終章 自律神経のしくみ

副交感神経(休む神経)の働き

 一方、副交感神経はそのたまった疲労物質や老廃物を除去し、体の壊れた部分を修復する働きがあります。
ですから寝るとすっきりして、けがや病気が治りやすいのです。
副交感神経はあなたがリラックスしている時や寝ている時に働きます。
また、ストレスがなく、安心している時や愛情を感じている時にも働きやすくなっています。
副交感神経は、脳や体を休めて修復するのに適した状態にします。

 

 また副交感神経は、体中の足りなくなった物質を補充する働きもします。
そのため、食べものを早く消化吸収するために胃腸などの内臓を動かす働きもあります。
交感神経は、内臓よりも筋肉に血液を送りますが、副交感神経は、筋肉よりも内臓に血液を送るのです。

 

 寝ている時は、見た目には体は動いていないように見えますが、修復するために体の中ではちゃんと副交感神経が働いているのです。
あなたはご主人が眠るとどこからか出てきて、ご主人の靴を作る仕事のやり残しを せっせとやっておいてくれる小人たちが出てくる童話を覚えていますか?
副交感神経はまさにこの小人たちです。
あなたの体をあなたの眠っている間に修復し、疲労から回復させているのです。

 

 ところが、眠ると働くのが副交感神経(小人)ですので、逆にいうとあなたが眠らないと、小人たち(副交感神経)はたくさん働いてくれません。
自律神経失調症やうつ病では不眠になることも多く、この小人たち(副交感神経)が働かなくなってしまうことが多いのです。