心と体の勉強会 音声テキスト

参加者のうつや自律神経失調症で知りたいこと

2019年8月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.1

目次

  1. ストレス
  2. 自律神経の働き
  3. ストレスに耐える力は交感神経

参加者の質問

  • 来院する以外で出来る体の痛みに対するセルフケアを知りたい。
  • 頭痛や不眠で困っている家族が居る。
  • 病院に行って薬を貰ったが、症状が改善しない。
  • 本人は寝なくて良いと言っている。大丈夫だろうか。
  • めまい、肩こり、動悸といった症状が以前出ていた。
  • 今はコチラに通い始めてから症状は安定している。
  • ただ、また症状が出てきたらどうしようという不安がある。
  • そうならない為にどうすればいいか。
  • 特に生理前とか、不安定な時期に顕著に気になる。
  • 今は落ち着いているが、以前パニック発作などもあり、また再発してしまうのではないかと心配。
  • 集合住宅で、コチラは音を出さないように気を遣って生活しているのに、他の家から大きい音が鳴ったりするのもイライラする。
  • そういった音や今の環境に対して過敏になってしまい、不安にもなる。
  • 不安やイライラを自分でコントロールしたいがどうすればいいか。

これらの質問に答えながら、必要な知識をお伝えしていきます。

1.ストレス

ストレスというのは簡単に言うと刺激です。
そして、ストレスというのは刺激であり、変化です。
暑くなったり、寒くなったりするのもストレスですし、雨が降ったり、止んだりするのもストレスであり、刺激であり、変化です。
ストレス、刺激、変化は同義語です。
そういったものがあると、自律神経は何かしらの反応をします。反応しなければいけません。
そうすると何かが起こります。
この何かが不眠や心配、耳鳴り、頭痛、怒りっぽいなど、様々な症状です。

2.自律神経の働き

寒いと、自律神経は体温を下げさせないように色々な事をします。
1つ例を挙げると震えです。筋肉を動かす事で熱を作っているのです。
このようにして自律神経は反応して、例えば、それが長く続けば震えが止まらないといった状況になります。
冒頭のお話にあった大きな音の事ですが、大きな音が鳴っているのでビクッとなるのですが、お姉さん以外にも音でビックリする人もいれば、逆にその音が気にならない人もいるんです。
これは自律神経に何の違いがあるのか。

ビックリしたらどんな感じになりますか?
参加者:「ビックリと同時にお腹が変な感じになる」

お腹が変になるというのが症状です。
なる人とならない人で何が違うのかという事です。
ストレス、刺激、変化に対して、自律神経の交感神経が働いて対処しようとします。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
副交感神経は簡単に言うと休む、回復させる神経。
風邪が治る、うつが治る、不眠が治る。全部この副交感神経が働かないと治りません。
一方、交感神経というのは、脳や身体を活性化してくれる。真逆の働きです。
この働き方の大きさは人によって違います。

例えば、副交感神経の働くレベルが0~10まであったとすると、人によって違います。
不眠症の人は下の方です。
副交感神経というのは眠る神経でもあります。
内臓を動かす神経で、食べたり飲んだりしたものを消化吸収するためにも、この副交感神経が働かないといけません。栄養をとる為に必要です。
とった栄養を体中に流して修復します。
交感神経も働くレベルが0~10まであったとすると、音にビックリするというのは交感神経の働きが弱いからです。
生理的な刺激というのは五感で入ってきます。
五感というのは視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚です。
あとは心理的な刺激があります。
例えば嫌いな人が横に居るだけで嫌な感じになりますよね。
私、生理的に無理なんて言いますけど、実は生理的ではなく、心理的なのです。
簡単に言うと嫌なんです。
良い刺激でも、変化はストレスなんです。

3.ストレスに耐える力は交感神経

あなたは芸能人やスポーツ選手、どなたのファンですか?
参加者:「吹越満」

その吹越満さんがこの場に座っていたらどうですか?
すごくドキドキしちゃいますよね。これも変化なのです。
悪いことも良いことも変化になります。
ストレスマグニチュードっていう考え方があります。
どんな事がストレスになるかっていう指標です。
一番上が100点で、配偶者の死です。ものすごいストレスですよね。
上から順番に見ていくと、7番か8番に結婚というのがあるのです。
生活の変化によるストレスですね。
良いことも嫌なことも交感神経が働かないと体調が悪くなっちゃいます。
ストレスが受け止められないのです。
今、大きな音がストレスに感じているということは交感神経が受け止められていないのです。

そこでヒントがあります。
先ほどあなたは極力音を出さないようにしているとおっしゃいましたよね。
音を出さないようにするというのは交感神経が働いていないのです。
人に迷惑が掛からないように生きてきましたよね。
そうすると副交感神経のレベルは高くても交感神経のレベルが高くなりにくいです。
こういう人は簡単に言うと、自律神経の交感神経の活性化がないため、過敏にもなるし、心配性にもなるし、不安にもなりやすいです。

参加者:「逆だと思っていました。
気にしすぎているから過敏に交感神経が働いているのかなって思っていました」

どれくらいの音かは分かりませんけど、ビックリする音があるんですよね。

参加者:「そうですね、足音とか、ドンドンみたいな音がくるとビックリしちゃいます」
その音を自分でやってあげればいいです。その音にビックリしてしまうのは、自分でその音を出すことが出来ないからです。自分でその音を出せるようになればビックリしなくなります。

副交感神経が優位な人は、良好な関係を作るのが上手いのです。
あんまり人に嫌われたりしないですよね?要するに人に配慮する事が出来る人なのです。
その理屈だと、私は副交感神経が優位ですけど、眠れないって思う方もいらっしゃるかと思いますが、それについては後で説明します。

参加者:「私、たまにイラっとしてやり返すことがあるんですけど、主人がそれを嫌がるので、主人の居ない時間帯にやるんですけど…」

それをちょくちょくやって下さい。人に対してやるわけじゃないですよね。
人に対して何かやってしまうのは問題がありますけどね、だけど、イスを蹴っ飛ばしても誰に迷惑掛かるわけじゃないですよね。
イライラしているとき、怒りっていうのはとても大きなエネルギーを持っているので、怪我をしてしまう危険性があるので、怪我をしないようにやってみて下さい。
このとき、筋肉運動と声っていうのも重要です。
だから、力一杯扉をバターンとやりながら「うるせー!」なんて言ったら気持ちよさそうじゃないですか。

それは自然なことなんですね、加えて自分で交感神経を下げきらないないように自分の交感神経を高めているんです。
高めないと、ストレス、刺激、変化に耐えられない体に段々なっていってしまいます。
運動が体にいいっていうのはこの筋肉運動をしているからです。
普通の運動やったり、野球やったり、ゴルフやったり、水泳をやったり、そういう筋肉を動かす事によって交感神経を上げたりとか、大きな声を出すというのも筋肉運動なんですね。
つまり、筋肉運動と声っていうのをいかにして動かして、出すかということで、交感神経のレベルが上がっていき、ストレス、刺激、変化にたいして交感神経が上がるだけで耐えられます。

参加者:「やり返したりすると、やっぱり旦那が嫌がるので、パンチングボールを買って叩いたりする事があるんですけどそういうのは大丈夫でしょうか?」

すごく良いですね!
そういう事をしないと、自律神経の交感神経がどんどん押さえ込まれてしまいます。
すると、どうなるかと言いますと、例えば血圧が上がらないだとか。心拍が上がらないだとか。結局、立てないっていう事に繋がります。
多くの起立性低血圧、起立性調節障害の今の子供達が不登校になる主な要因ですね。
いじめとか、他の要因もあったりするんですけど、それは心理的な問題です。
生理的には交感神経を異常に抑圧する事で、血圧が上がらない、心拍が上がらない、活動的に動けないから学校に行けない、会社に行けないという問題が起こります。