第4章 自律神経失調症・うつ病の対策 ストレス別
構造的ストレスへの対策

姿勢を正し、均等に座る

 姿勢も自律神経失調症やうつ病に影響を与えます。
姿勢が悪くなると、どうしても呼吸も乱れてきます。
呼吸は自律神経と深く関係していますので、呼吸が乱れると自律神経も乱れやすくなってしまいます。

 

 試しに浅く速く呼吸をしてみてください。
気分が悪くなると思います(体調がひどく悪い時は試さないでくださいね)。

 

 また、姿勢が悪くなるとホルモンバランスがくずれてしまいます。
脳の真ん中には「脳下垂体」という部分があるのですが、ここは体全体のホルモンのバランスをとっているホルモンの司令塔です。

 

 姿勢が悪くなり顔が下向きになると、脳下垂体への血流が悪くなるという報告があります。
そのため、脳下垂体が正常の働きが行えなくなり、ホルモンバランスが乱れます。
ホルモンバランスが乱れると自律神経も乱れてしまうのです。

 

 よい姿勢とは横から見て、足のくるぶしの前・骨盤の真ん中・肩の真ん中・耳が一直線になるようになり、目と耳のラインが水平になっている状態です。
座っている時は骨盤の真ん中から上をそろえてください。

 姿勢を改善する時に、肩や背中に力が入らないように気をつけてください。
自分ではなかなか確認できませんので、家族の方やお友達に見てもらってください。

 

 また、座っている時など、左右のお尻に半分ずつ体重がかかるようにして座ってください。
50kgの方ですと、右のお尻に25kg、左のお尻に25kgです。
コツとしては、左右の「お尻を片方ずつ持ち上げてお尻に体重がかかる感覚を意識するようにするとわかりやすくなります。

 

 次に胸が太ももにつくぐらいお辞儀をしてください。
その状態から起き上がると、骨盤がまっすぐになりやすくなります。

 

 ちなみに病気になりにくい姿勢というものがあります。
それは地球の重力の線と自分の重心を合わせることです。

 

 地球の重力の線と自分の重心を見るには、糸に五円玉などをくくり、天井から吊るしてみてください。
床から2~3mぐらいまでの長さにします。
糸がまっすぐ垂れている、その後ろに立ってみてください。
糸は体の中心にきているでしょうか。
糸が体の中心にしていれば、バランスのよい姿勢に近いと思われます。

 

 正面と背面と両方見てみてください。
自律神経失調症やうつ病の方はバランスがくずれている方が多いので、左右どちらかに傾いている方もいるでしょう。

 

 余談ですが、座禅や瞑想などは自律神経を整えるのによいのですが、これらのポーズは重力の線と体の重心がそろっている姿勢になります。
姿勢が乱れると呼吸もホルモンも乱れます。
また、筋肉に不必要な緊張が生まれますので、自律神経が乱れやすくなるのです。