うつ病・自律神経失調症 治る人 治らない人
第3章 自律神経失調症・うつ病の原因 ストレスとは

四つの体力

 さて、スポンジの硬さが体力とお伝えしましたが、体力とは具体的に何なのでしょうか。

 

 体力とは書いて字のとおり「体の力」です。
この体の力がないと病気も治りませんし、ストレスに抵抗することも働くこともできません。

体の力とは、人が生きていくうえで欠かせないものなのです。

 ストレスは4種類あるのですが、この体の力も「運動力」「免疫力」「治癒力」「調整力」の4種類あるのです。

 

 ではそれぞれの体力について説明していきましょう。

 

運動力 運動や労働をするためのカ

 運動力とは脳や体を動かす力のことです。
つまり肉体労働から頭脳労働、またスポーツなどもこの運動力に入ります(運動学的には手を1回動かすだけでも「運動」といいます)。
これは特に細かい説明はいらないと思います。

 

 運動をすれば疲れるし、働きすぎも疲れます。
体力がなくなるという感覚が理解できると思います。

 

 自律神経失調症やうつ病の方は、体力全般が落ちるのでこの運動力も落ち、機敏に動くことができなくなります。

 

免疫力 バイ菌やウイルスから体を守る力

 免疫力とは、バイ菌やウイルスが体に入ってきた時にそれらをやっつける力のことをいいます。
これも詳しい説明は特にいらないと思います。

 

 風邪のウイルスやO-157などの大腸菌が体に入ってきても、風邪をひく人とひかない人、症状が出る人と出ない人がいるのはこの免疫力の強さによります。

 

 自律神経失調症やうつ病の方は免疫力も落ちているので風邪に限らずいろいろな病気になりやすくなります。
またガンになる方も、自律神経が乱れて免疫力が落ちている方が多いのです。

 

治癒力 傷や病気を治す力

 体は自分自身で病気やけがを治す力をもっています。
この力を治癒力といいます。
この治癒力が高ければ、病気やけがが早く治ります。
治すためにはどんなものが必要で、どんなことをしなければならないのかは、体の中にすべてインプットされているのです。
治癒力が強ければ、体はそのインプットされているとおりに動けますので、病気もけがも早く治っていきます。

 

 自律神経失調症やうつ病の方は、この治癒力が弱くなっているため、風邪が治りにくくなったり、そのほかの病気も治りにくくなったりするのです。

 

調整力 体のすべてを調節する力

 あなたの体には自分で体を調整する力があります。
血圧が上がれば下げようとする力や体温が上がれば下げようとする力など。
これをホメオスタシスといいます。
ホメオスタシスは先ほどご説明しましたね。

 

 例えば、体温は35~37℃でぐらいの間で保たれています。
これ以下やこれ以上の体温になろうとすると、体は体温を元に戻そうとします。
先ほどの温度・湿度のストレスがあるとします。
すると調整力が体に一定に保とうとするため、いろいろな反応をします。
体が熱くなっている場合は汗をかいて体を冷やそうとしています。
また体が冷たくなっている場合は、ふるえなどを起こし、筋肉で熱を作ろうとしています。

 また、体のゆがみなども軽いうちなら自分で治ろうとする力があります。
眠っている時の寝返りなどは、体のゆがみを治しているといわれています。

 

 自律神経失調症やうつ病の方は、この調整力も落ちているため、顔だけほてったり手足が冷えたり、微熱が出たりなど、体の微調整ができなくなる方も多いのです。