うつ病・自律神経失調症 治る人 治らない人
第2章 自律神経失調症・うつ病の特有な症状

起立性低血圧(立ちくらみ)

 起立性低血圧とは「立ちくらみ」のことです。
イスから立ち上がる時に、クラクラしてしまう方がいますが、これも自律神経失調症の症状です。
なかには倒れる方、倒れた時の記憶がない方もいます。
これは血管の収縮障害です。

 

 通常、イスに座っている時と、立った時では頭の位置が違います。
例えば、イスに座っている時の頭の高さが110cmだとします。
イスから立った時の頭の高さは160cmとします。
この状態ですと、イスから立った時は座っている時よりも頭の高さが8cm高くなります。
すると血液を8cm分、高く持ち上げないと脳に血液がこなくなります。
血液が運んでくる酸素や糖分がないと働けませんから、血液がこなくなると立ちくらみになります。

 

 自律神経が正常の反応をしていると、イスから立った時、自律神経が瞬時にそれを感知して一瞬だけ血圧を上げます(通常は8mmHgぐらい)。
血圧が上がると、8cm高く血液を運べることになります。

 

 しかし自律神経に狂いがあると、瞬時に血圧を上げるということができません。
遅れて血圧が上がってくるのです。そのため立ちくらみが起こります。

 

 立ちくらみが頻繁に起こる場合は、通常の低血圧とは違い、体の動きに対応した血圧のコントロールができない状態です。
たまに起こるくらいなら問題ないのですが、もし頻繁に起こる場合は自律神経が乱れています。
また、立ちくらみは、後ほどお伝えする「低血糖症」の症状でもあります。