当院院長のブログ

断食が体を回復

更新日:2017.11.20
執 筆:整体師 田島健次

今回のテーマは、前回のブログで少しだけ触れましたが、「断食」が自律神経失調症やうつ症状の改善に効果があることについてお話ししていきます。

断食と聞いてどの様なイメージをお持ちでしょうか?
宗教的とか仏教の修業などをイメージされる人もいるでしょう。
最近ではプチ断食、半日断食などが少し話題になりましたね。(知っていましたか?)

昔から自律神経失調症などの慢性疾患などに効果があると言われている、「絶食療法」というものがあります。

絶食療法は、医師の監視の下入院をして、10日から20日(病院や担当医により期間や内容が変わる)もの長い間をかけて行う療法です。

かなりの勇気と理解をもって行うので、ハードルが高いように感じます。
私は行ったことがないのでどの位過酷かはわかりませんが、10日間の完全絶食だそうです。
水分は自由にとって、足りない栄養は点滴で補い、絶食。
期間中に心理療法を行うこともあるそうです。(修業だ…)

では、なぜ断食が自律神経失調症の改善に効果があるのかを、生理的、心理的視点から説明していきます。

患者さんと話している時に、「怠い、力が出ない、無気力でお腹が空いてないのに、ご飯の時間になったら栄養のあるものを無理にでも食べて、元気になろうと努力しているんです。」とよく聞きますが、これは間違い。
自律神経が乱れている時は内臓機能が低下しているので、内臓をまず休めることが重要です。

飽食の時代なので、胃腸が疲弊して本来の機能が働かなくなり、腸の免疫力が低下して、風邪を引きやすくなったり、アトピー性皮膚炎などが起こります。 

話しを戻します。

断食をすると…

・生理的には
糖質の摂取が断たれ、低血糖により体の脂肪が分解され、エネルギー源としてケトン体の一部が脳で利用される代謝に変化します。

糖による代謝ではなく脂肪による代謝に変わることにより、大脳、自律神経、内分泌系が刺激を受けて、本来持っている生命機能調整力が動き出して、体を回復するという生理的現象が起きます。

・心理的には
食べたいときに食べる、したいときにする。という自由な状態でいると、欲望を肥大させて自己コントロールが出来なくなり、自分本位の思考になるため、人間関係のストレスが強くなったり、体に良くないと分かっているのに、アルコールや薬、添加物いっぱいの食べ物を大量に取ってしまうなど、欲望のコントロールが出来ません。

断食により、極限状態に耐えることから来る忍耐、自信感の回復、自己洞察、自己肯定感、自己コントロール力、気づきが起きます。

この生理的、心理的効果は相乗効果があるとされています。
生理は心理に、心理は生理に影響を与え、認知は行動を、行動は認知を変容させると言われています。

絶食療法は必ず医師の監視の下で行うものですので、個人的に行うと危険です。

私は絶食をしてくださいとは言いません。
食欲がない時は無理に食べない、休みで特に体を動かすことがなければ、一食二食ぐらい取らないで、ゆっくり読書やストレッチなどをして過ごす事をおすすめします。

体が求めている声を聴くためには、空腹感は一番簡単な方法かもしれません。
体が求めている行動をすることは、自律神経を回復するために重要です。

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